現在は、以下の組み合わせが対象になります。
ZWO Ha SII OIII 31.7mm(1.25インチ)3枚セット 特価¥64,100
ZWO Ha SII OIII 31mm 3枚セット 特価¥73,900
ZWO Ha SII OIII 36mm 3枚セット 特価¥83,300
ZWO Ha SII OIII 50.8mm(2インチ)3枚セット 特価¥121,500
※フィルター3枚セットの値引きは自動計算されます。
価格は全て税込みです。送料無料でお送りします。
光軸調整ツールの選びかた
光軸調整には次の2つの要素があります。
1. 斜鏡の位置調整
視界内の照度分布に影響しますが、あまり重要ではありません。
※あまり重要でないのは斜鏡の位置であり、斜鏡の調整が重要ではないのではありません。
2. 軸合わせ
収差を最小限に抑え、視界全体に焦点を合わせます。非常に重要です。
お使いの光軸調整ツールが、どの軸の誤差を解消するのかを理解することが重要です。例えば、高品質の鏡筒と光軸調整ツールを持っている人がチェシャコリメーターで光軸調整したあとにバロードレーザー(※)で確認すると光軸は一致していますが、オートコリメーターでみると一致していません。これは、チェシャコリメーターとバロードレーザーがPAE(後述)を測定するのに対し、オートコリメーターはCAE(後述)を測定するからです。
※日本ではあまり見かけませんが、レーザーコリメーターにバローレンズを取り付けたもののことです。
お使いの光軸調整ツールは、どの軸の誤差を測定しているのか知っている必要があります。少なくとも2種類以上の軸の誤差が検査できるツールを持っていないと、正確に光軸を合わせることはできません。
下の表は、それぞれのツールがどの軸の誤差を測定できるかを表しています。
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1つ穴オートコリメーター |
2つ穴オートコリメーター |
チェシャコリメーター |
レーザーコリメーター |
バロードレーザー |
アストロシステムズ/キャッツアイ社製 光軸調整アイピース |
PAE |
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○ |
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○ |
○ |
CAE |
○ |
○ |
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○ |
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FAE |
○ |
○ |
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○ |
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○ |
LAE |
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○ |
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CAE(COC Axial Error)は、主鏡の曲率中心のある面での主鏡の軸と接眼部の軸との距離です。
PAE(Primary Axial Error)は、主鏡の焦点面での主鏡の軸と接眼部の軸との距離です。
FAE (Focuser Axial Error) は、主鏡の鏡面での主鏡の軸と接眼部の軸との距離です。
LAE (paralleL Axial Error) は、主鏡の曲率中心に接眼部の軸を並行にずらしたものを置いたものと主鏡の軸との距離です。
概要:
1. 軸合わせが像の品質に大きく影響します。接眼部の軸と主鏡の軸を一致させます。より正確にいえばアイピースもしくはカメラの軸と主鏡の軸を一致させます。
2. 軸を合わせるためには、少なくとも異なる2点で一致させる必要があります(2直線を一致させるためには異なる2点が一致する必要があるため)。
3. 光軸調整ツールは下の4種類のどれかを測定します。
a. 曲率中心における両軸間の距離(CAE)
b. 焦点における両軸間の距離(PAE)
c. 主鏡面における両軸間の距離(FAE)
d. 両軸の平行度(LAE)
4. 上に示したズレの少なくとも2つが0であれば、光軸は合っています。逆に、少なくとも1つが0でなければ、光軸は狂っています。
5. 1つ穴オートコリメーターは最初にセンターマークと3つ目の反射を重ねることによりFAEを排除し、次にセンターマークと1つ目の反射を重ねることによりCAEを排除できます。
6. 1つ穴オートコリメーターの短所は以下の通り:
a. 1つ穴オートコリメーターは最終的にはCAEのみを測定します。1点では、接眼部の軸と主鏡の軸が一致することを保証するのに十分ではありません。FAEは1つ穴オートコリメーターの最終的な視界で判断することはできないからです。
b. センターマークと3つ目の反射を重ねることとセンターマークと1つ目の反射を重ねることは視差やぼやけた反射の影響を受ける可能性があり、精度に影響を与える可能性があるからです。
7. 上記の欠点は、ほかのズレを計測する機能を追加する(センターマークと2つ目の反射を重ねてLAEを測定する)ことによって解決できます。センターマークと2つ目の反射は視差がなくぼやけていない像を使うため、誤差が出にくくなります。さらに2つの異なるのぞき穴から評価することで、より精度を高められます。
8. 残留誤差:
a. Vic Menard(注1)によって概説されているCDP(注2)やチェシャコリメーターを使った1つ穴オートコリメーターの手順に従わない場合は、1~2mmのPAEとFAEのズレが残ります。かなりひどい誤差といえます。
b. 2つ穴オートコリメーターでは、CDPやチェシャーコリメーターを使用しない場合最大0.5mmのPAEとFAEのズレが残ります。
注1:New Perspectives on Newtonian Collimationの著者。
注2:Carefully Decollimated Primaryの略で、同書に記載の手法。
FAQ
Q. どれを準備すればいいですか?
斜鏡の位置合わせには光軸調整アイピース、軸合わせにはオートコリメーターとチェシャコリメーターを使います。その3つで確認し、すべて同時に合っていれば、軸・斜鏡の位置ともに調整完了といえます。
※CDPだけで完全に合わせることは難しいため、チェシャコリメーターを併用します。
Q. 1.25インチと2インチのどちらを使えばいいですか?
A. お使いのアイピースやカメラが2インチなら2インチ、1.25インチなら1.25インチがベストです。
2インチ接眼部を2インチのツールで調整し、2インチ→1.25インチのアダプターを使うと多くの場合光軸が狂います。2インチ接眼部に1.25インチのカメラを使う場合は、アダプターを付けて1.25インチで光軸調整し、アダプターは外さないようにします(1度でも外したら再調整します)。
Q. 再帰反射センターマークはどのサイズが最適ですか?
A. 2インチのツールなら一番大きいもの、1.25インチ(31.7mm)なら一番小さいものがぴったり合います。
Q. 再帰反射センターマークセットはどの色がお薦めですか?
A. 弊社のお薦めは白です。もっとも反射率が高く、3番めの反射が一番見やすい色です。
Q. アストロシステムズとエレクトリックシープのオートコリメーターは何が違うのですか?
A. 前者は市販の鏡をカットしたものを使用していますが、後者は光学メーカーに専用部品として特注した反射率の高い鏡を採用しています。そのため、センターマークの反射の明るさがかなり異なります。また、穴の数が違います。上記のLAEは2穴のオートコリメーターでのみ測定できます。
Q. オートコリメーターの反射が4つ見えません。
A. 初期調整ができていません。光軸調整アイピースで正しく調整すれば、反射が見える範囲に収まります。
Q. オートコリメーターでセンターマークをきれいに重ねたあとにもう一度チェシャコリメーターでみると少しズレがあります。
A. オートコリメーターを使って斜鏡を修正したことにより、更に主鏡を修正する必要があることがチェシャコリメーターによりわかるためです。そこで再びチェシャコリメーターで主鏡を合わせ、オートコリメーターで斜鏡を修正すると更に誤差が見つかりますが、先程より小さくなっているはずです。繰り返すと誤差はどんどん少なくなっていきます。ここで誤差が認められない場合は、異なる2点で光軸が一致している、つまり完全に光軸が合った状態=光軸調整が完了したことを意味します。
Q. オートコリメーターで調節するとき、ドローチューブの位置は?
A. オートコリメーターの鏡の位置は主鏡の焦点面にあることが望ましいです。焦点面の位置は、月などをトレーシングペーパーや薄い紙に映して判断します。キャッツアイ社のものはツバより少し下に、弊社製のものは赤い部分の上端に鏡があります。
参考資料
Concise thread about autocollimators+improvements
http://www.cloudynights.com/topic/251778-concise-thread-about-autocollimatorsimprovements/